顎木あくみさんの小説を、Snow Man目黒蓮さん、今田美桜さんの共演で実写映画化した「わたしの幸せな結婚」
圧倒的な映像美の予告を映画館で観て筆者も気になる作品だったのですが、鑑賞した原作ファンは「ひどい」と酷評しているようです。
なぜそのような声が挙がっているのでしょうか。
原作ファンの方は、原作を深く愛するがゆえに、受け入れられない点が多々あるようです。
その理由を調査してみました。
映画「わたしの幸せな結婚」の予告
文明開化もめざましい近代日本。特殊な能力【異能】を受け継ぐ家系の者たちが代々、国を治める帝と共に、様々な災いから人々を守り続けてきた。
映画「わたしの幸せな結婚」公式サイト
帝都に屋敷を構える異能家系の長女•斎森美世は、能力を持たずに生まれたことで、継母と異母妹から虐げられて生きてきた。すべてを諦め、耐え忍んで生きる彼女に命じられたのは、若くして異能部隊を率いる、冷酷無慈悲な軍人•久堂清霞との政略結婚だった。数多の婚約者候補が三日も持たずに逃げ出したという噂の通り、清霞は美世を冷たく言い放つ。
「ここでは私の言うことに絶対従え。出ていけと言ったら出ていけ。死ねと言ったら死ね―」
辛く当たられようと逃げ帰る場所のない美世は、久堂家で過ごすうち、清霞が悪評通りの人物ではないことに気づいていく。そして清霞もまた、美世の心遣いに触れ、いつしか互いに心を通わせるようになる。幸せなど到底ないと思われた政略結婚に光が差し込む。 「望んでしまった…少しでも長く、この人と居たいと―」
しかしその頃帝都で、不穏な【災い】が次々に人々を襲う事件が発生。清霞はその最中で国民の盾となることを命じられる。命を賭して戦う清霞。その身を案ずる美世。しかしその【災い】の影には、思いもよらぬ陰謀が渦巻いていた。任務を全うする清霞の背後で、美世にも魔の手が迫る。
やがて残酷な運命が、容赦なく二人を切り裂いていく―
願うのはたったひとつ、あなたの幸せ。
映画「わたしの幸せな結婚」がひどいという感想
映画「わたしの幸せな結婚」が「ひどい」と指摘されている点をまとめてみると、
- 原作の世界観や設定がめちゃくちゃで分かりにくい
- 内容を詰め込み過ぎて原作を改変して、展開に違和感が生じている
- ストーリーが駆け足になっているので理解しづらい。
など、「原作の世界観を壊している、表現しきれていない」この1点に尽きる印象。
「原作の再現度」「映像美」「エンタメ性」「俳優目当て」など、この映画に何を求めているかで賛否が両極端になりやすい作品と言えそうです。
原作ファンが「原作にリスペクトがない」と感じる内容
原作は、主人公の心情に深くフォーカスし、2人が心を通わせていく様子を丁寧に描いていき、その過程で周辺に起こる様々な要素が、2人のすれ違いや更なる絆を生むトリガーになっています。
一方映画は、“もう心開いたの?”と登場人物の心の動きを深く掘り下げることなく驚くほどスピーディーに展開するために感情移入しにくい、
またあらすじにある「恋愛」「異能」「家柄」「災い」など、2時間の尺では到底足りない要素を同率で詰め込み過ぎて話が分かりくいという指摘も。
原作小説は2023年3月現在で6巻まで発売されていて、その内容を詰め込んでしまったらそうなりますよね。
(コミックス派の方には、ネタバレになる内容が映画に含まれているとのことなのでお気をつけください)
尺にムリヤリ収めたために、話の繋ぎ方が不自然になっていたり、重要なシーンを書き換えられていたりと、原作の世界観や設定が重視されていない脚本が、原作ファンには耐えられなかったようです。
原作のもつ唯一無二の世界観には熱狂的なファンがいるので、どんな形で実写化しても一定数の批判に晒されてしまうのは致し方ないのかもしれませんね。
ジャニーズ起用、ジャニーズファンに苦言も
主軸は今田美桜さん演じる斎森美世の背景や清霞とのラブストーリーであるにも関わらず、目黒蓮さん演じる久堂清霞を中心に展開するストーリーにも苦言を呈している方も多く、ジャニーズ所属俳優あるあるの「事務所のゴリ推しか」という批判も。
この点もゴリ推しというより、2時間の映画で起承転結を作る以上、致し方ない部分もありそうですね。
また、目黒蓮さんファンと思われる観客が騒ぐなど、鑑賞マナーが悪かったという声もあり、
「ジャニーズ映画はもう劇場で観ない」
「ジャニーズ映画と割り切れる人にしかオススメできない」
と不満をあらわにしているレビューも複数件ありました。
(この辺りは、一部の観客が目立ってしまっただけだとは思いますが…。)
目黒蓮さんのファンの方の感想も多いですが、演技については賛否両論、意見が分かれています。
目黒蓮さん自身は決して演技が下手という訳ではないでしょうが、久堂清霞という役の難しさや、脇を固めるベテラン俳優さんと比較してしまうと、俳優歴の点でも演じ負けてしまう部分があるのかもしれません。
原作は読まない方が楽しめる?読んでから行くべき?
原作ファンからは「原作を知らなければそれなりに楽しめるのかも」という声が多いですが、
原作未読者からは「設定が複雑すぎるのに説明描写も少なくて、話が理解できなかった」という感想も多く、どちらの属性の観客にも一定の不満が残ってしまう結果に。
原作を読んでから観るべきか否かは個人の判断によるところではありますが、登場人物の相関図や、「異能」「蟲」「家柄の関係性」など、今作品特有の複雑な設定要素は事前に頭に入れておいた方が理解しやすいでしょう。
ただ、ネタバレにならない線引きには注意が必要ですね。
「渡邊圭祐さんの演技」と「映像美」はどの観客からも高評価
どの感想を持つ観客にも概ね好評だったのは「渡邊圭祐さんの演技」と「映像美」
鶴木家の御曹司で話に深く関わってくる「鶴木 新(つるき あらた)」を演じる渡邊圭祐さんは、ふとした間やセリフ回し、言葉への感情の乗せ方など抜きん出て素晴らしかったと評価が高いです。
また、今田美桜さんも、これまでは元気で明るい女性役が多く、心に深く傷を負っている美世を演じられるのかと心配する声もあったのですが、やつれて感情を抑えた表情や泣きの演技に「とても良かった」と俳優としての引き出しの多さに驚く声も。
また、本物の屋敷を撮影に使用するなど、劇場で観るのに相応しいスケールと映像美には称賛の声多数です。
映画「わたしの幸せな結婚」が「ひどい」という感想要約
以下、実際にレビューサイトに掲載されている低評価の感想を、要約して箇条書きしていきます。
Yahoo映画レビュー
3.8点 ※2023/3/18 22時現在
(低評価の数多め)
- 脚本がひどく、ストーリーが駆け足で消化不良な部分もある。ストーリーに感情移入できなかった。
- 好みによっては楽しめるが、映画のストーリーや世界観がわかりにくい。
- 目黒蓮さんと今田美桜さんの純愛を中心にしたラブストーリーを期待したが、陳腐なファンタジーであった。
- 俳優のファンには見応えがあるかもしれないが、原作ファンには物足りないかもしれない。
- 「実写化しない方が良かった、アニメ化に期待する」という原作ファンの声も多い。
- 渡邊圭祐さんはよかったが、久堂清霞のイメージが違う。
- コスプレ風の衣装や戦闘シーンが異質に感じられる。
- 目黒蓮さんのファンの感想も多いが、演技力については意見が分かれている。
- ジャニーズアイドル映画として楽しむなら良い作品。
- アクションシーンのカメラワークが激しすぎて酔ってしまったという指摘もある。
- 続編があるかどうか微妙な終わり方であったため、期待する声もあり。
filmarksレビュー
3.9点 ※2023/3/18 22時現在
(高評価の数多め)
- 久堂の性格が思っていたより陽気だったが、異能バトルシーンが面白かった。ただ、駆け足で展開される場面もあって原作未読者には不親切と感じた。
- 原作を知らずに予告動画だけ見に行ったが、恋愛以外の要素がかなりあって驚いた。
- ストーリー展開についていけず、世界観に入り込めなかった。演出や台詞回しを楽しめなかったが、役者の演技は悪くなかった。エンタメとしてはあまりお勧めしづらい。
- 目黒蓮ファンの鑑賞マナーが悪かった。ジャニーズの映画はもう映画館で見ない。
もうそろそろ配信やDVDが発売されると思われます。
自宅でじっくりと見る分には、楽しめるかもしれませんね。
▼永山絢斗さん逮捕を占い師「星ひとみ」が予言していた!?
コメント