「君たちはどう生きるか」映画元ネタ「失われたものたちの本」あらすじ感想ネタバレ

「君たちはどう生きるか」映画元ネタ「失われたものたちの本」あらすじ感想

宮崎駿監督による10年ぶりのスタジオジブリの新作「君たちはどう生きるか」が、いよいよ今週金曜の7月14日から公開されます。

タイトルとポスタービジュアル以外、内容は全て未公開。

タイトルは、宮崎駿監督が幼少期に読んで衝撃を受けた吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」から採られていますが、内容は全く違うオリジナル作品とのこと。

宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」のストーリーに影響を与えた作品として候補に挙がっているのは、

ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」

という、アイルランド出身の作家が書いた児童文学です。

映画「君たちはどう生きるか」に影響を与えたとされる

  • 吉野源三郎作「君たちはどう生きるか」
  • ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」

両作品のあらすじ内容や映画との関係性などを、調査・解説してまとめてみたいと思います。

目次

映画「君たちはどう生きるか」に影響を与えた作品

映画「君たちはどう生きるか」に影響を与えた作品と言われているのは、下記2作品です。

  • 吉野源三郎作「君たちはどう生きるか」
  • ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」

吉野源三郎作「君たちはどう生きるか」

吉野源三郎作の「君たちはどう生きるか」は、1937年に出版されて以来、数多くの人に読み継がれてきた歴史的名著です。

2017年に漫画化されて再度ベストセラーになったことで、若い人にも広く知られるきっかけになりました。

吉野源三郎作「君たちはどう生きるか」あらすじ

知的好奇心旺盛な少年「コペル君」と、彼を亡き父親の代わりに見守る教養ある「おじさん」
ふたりの心温まるやりとりを通じて「生きる意味」を平易に深く説いた児童向け教養小説。

正義、経済、格差、徳などの社会的トピックを、子供にありがちなエピソードを通じて倫理的な視点で分析。

これから社会に出ていく子供だけでなく、大人は過去を追体験することで新たな気づきを得られると評判の名著。

映画「君たちはどう生きるか」の作中には、

登場人物が吉野源三郎作の小説「君たちはどう生きるか」を読んでいるという設定はあるものの、

作品の中身と小説は全く関係がないとのことです。

物語に直接影響を与えた作品は、別にありました。

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ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」とは?

物語に直接影響を与えた作品として名前が挙がっているのは、

ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」です。

ジョン・コナリー 経歴

1968年アイルランド生まれ。
犯罪小説、ホラー、ファンタジーなどを執筆。
ダブリン大学およびダブリンシティ大学で学んだ後、フリーのジャーナリストとして活動。

1999年のデビュー作『死せるものすべてに』はシェイマス賞を受賞したほか、ブラム・ストーカー賞とバリー賞にノミネートされた。

2007年に『失われたものたちの本』で全米図書館協会アレックス賞を、2014年に「キャクストン私設図書館」でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞とアンソニー賞の最優秀短編賞を受賞した。

出典:東京創元社

ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」は、

ジブリ美術館内にある図書閲覧室「トライホークス」で、

「2015年にぼくをしあわせにしてくれた本」として宮崎駿監督の推薦図書になっています。

文庫本帯の推薦文も宮崎駿監督が書いていますし、図書閲覧室には宮崎駿監督手書きのPOPもあるようです。

「ぼくをしあわせにしてくれた本です。出会えてほんとうに良かったと思ってます」

という推薦文からも、ものすごい熱が入ってますね。

ジブリ美術館内にある図書閲覧室「トライホークス」には、他にもたくさんの推薦図書があるようです。

覗いてみたくなりますね。

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ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」 映画との関係は?

2023/6/16に発売された「スタジオジブリ物語」

鈴木敏夫氏の責任編集で執筆されたスタジオジブリの40年の物語が綴られた書籍です。

その最終章に、

「宮崎駿82歳の新たな挑戦『君たちはどう生きるか』」

と題して最新映画の裏話が掲載されているのですが、

今作の物語は「冒険活劇ファンタジー」で、

大きな影響を与えたのは「アイルランド人が書いた児童文学」だと記してあります。

  • 「失われたものたちの本」は異世界冒険譚
  • 「失われたものたちの本」の著者ジョン・コナリーはアイルランド出身

上記、ジブリ美術館での大プッシュや、文庫帯での推薦文などを総合して考えて、

恐らく、宮崎駿監督最新作の物語に大きな影響を与えたのは「失われたものたちの本」であると思われます。

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ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」あらすじ・感想

では、あの宮崎駿監督がそこまで惚れ込んで影響を受けた「失われたものたちの本」とは、どんな物語なのでしょうか。

ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」あらすじ

ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」あらすじ

母親を亡くして孤独に苛(さいな)まれ、本の囁(ささや)きが聞こえるようになった12歳のデイヴィッドは、死んだはずの母の声に導かれて幻の王国に迷い込む。

赤ずきんが産んだ人狼、醜い白雪姫、子どもをさらうねじくれ男……。
そこはおとぎ話の登場人物たちが蠢(うごめ)く、美しくも残酷な物語の世界だった。

元の世界に戻るため、少年は『失われたものたちの本』を探す旅に出る。本にまつわる異世界冒険譚。

出典:Amazon

第二次世界大戦下のイギリスで、読書好きで内向的な性格の主人公は、母の死と父親の再婚、家族との関係悪化と、現実世界に居場所のない辛さから逃がれて、物語の世界へ入り込みます。

そこで様々な経験を積んで、成長した少年がまた現実の世界に帰ってくるという「冒険活劇」「ファンタジー」によく見られる展開で話が進んでいきますが、

他の冒険ファンタジー作品とは異なる点は「非常に残酷な表現や性的な描写が含まれる」ということ。

「本当は恐ろしいグリム童話」のように、人間のグロテスクで汚い負の部分を増幅させた解釈で童話を物語に取り入れているため、

「これ本当に子供向けで良いのか?」と疑いたくなる大人のダークファンタジーに仕上がっています。

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ジョン・コナリー作「失われたものたちの本」感想

前半は、現実世界にいる主人公の鬱々とした情けない心理描写が単調に続いて読み進めるのがツラくなりますが、そこを越えて物語の世界に入ったあとの面白さは格別。

決して幸せな話にはならず、グロテスク描写に耐性のない読者だと大人でもしんどい場面もあり、気になる矛盾点もなきにしもですが、ラストは胸を打つものがある「重厚で奥深い物語」です。

【ネットの感想

児童書かと思いきや、大人向けダークファンタジィ。童話風の淡々とした、感情からすこし距離を置いたような表現に馴染むまで時間がかかりましたが、嫌いじゃないな。

若干グロめというか、血なまぐさい表現が多めで、そこが大人向けかなと思いつつ、それも嫌いではない感じでした。

思っていたよりも登場する童話が少なかったのは残念。パンズラビリンス男の子版な印象。

とんでもないダークメルヘンだった。話の筋はナルニアやはてしない物語に似た王道異世界トリップものだけど、もっとずっと不健全な感じ。パンズ・ラビリンスに近いかも。童話調の敬体文と、残酷でエログロな世界観のミスマッチが良い。「人間の中の邪悪」を断言する〈ねじくれ男〉の長台詞にゾクゾクしたし、それに対峙した主人公には希望を感じた。

帯で知りましたが、宮崎駿さんの推奨本なのですね。

子供の頃にグリム童話を読み耽った大人は引き込まれると思います。童話はもともと性的なイメージや残酷な要素を含んでいますが、この本ではそこが100倍くらいに増幅されています。

他の方も書かれていますが、「はてしない物語」的な設定です。読書好きで内向的な性格の主人公は現実世界と折り合いがつけられず、家族との関係も悪化し、居場所がありません。

少年が迷い込んだ異世界はとにかく不気味で残酷です。子供ですら遊びのために殺されてしまうような世界です(女狩人の話)。

しかし、優しく勇敢な旅の友は魅力的です。騎士ローランドはまさにヒーローで、主人公とともに巨大な怪物を退治します。

めくるめく展開でしたが、終盤のねじくれ男の話が長すぎると思ったので星をマイナス1しました。

宮崎駿監督の最新作に関わりがあると知って「失われたものたちの本」を読み終えた方の中には、

「ナウシカ漫画版ともののけ姫と千と千尋を混ぜたような物語」

と表現している方もいました。

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「失われたものたちの本」と似ている作品

ちなみに「失われたものたちの本」を読み終えた方は、

  • はてしない物語(児童文学)
  • パンズ・ラビリンス(映画)

を引き合いに出して語る方が多いです。

どちらも異世界に迷い込んだ主人公の成長を描く冒険ファンタジーですが、

  • はてしない物語
    →王道の異世界冒険ものとしての類似
  • パンズ・ラビリンス
    →異世界のグロテスクさが類似

という共通点があります。

▼ギレルモ・デル・トロ監督が脚本も手掛けた「パンズ・ラビリンス」予告


「はてしない物語」は、Kindle Unlimited会員Audible会員の方は追加料金なしの無料で読めるみたいです。

また、Amazonプライム会員限定で2023年7月18日まで聴く読書 Audible会員プラン3か月無料体験キャンペーンを開催中しているので、この機会に試してみるのも良いかもしれません。

(なんと、朗読があの声優の緒方恵美さんという豪華さでビックリ!)

筆者は、時期によってKindle UnlimitedAudibleを交互に切り替えながら会員になっていますが、個人的には「はてしない物語」は“小説とアニメの間”のイメージでしっくりくるAudibleで聴きたいなと思いました。

「失われたものたちの本」が面白いと感じた方は、これらもチェックしてみるといいかもしれません。

この本を原作とした映画は、個人的には面白いと言えるものではありませんでしたが…。

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色々な伝説を作り出してきた宮崎駿氏が82歳にして作り出した最新作。

何度も引退を宣言しては復活してきた宮崎駿氏が「これが最後の仕事」と断言する今作は、どんな内容が描かれているでしょうか。

ネットでは内容予想で大喜利状態になっています。

>>「ニュース」記事一覧

>>「映画」記事一覧

>>「テレビ」記事一覧

>>「漫画」記事一覧

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