「ブルージャイアントひどい」と検索される理由|映画ではどうなっている?

「音が聴こえる漫画」として、各方面から大絶賛の「BLUE GIANT」(石塚真一原作コミック)
2023/2/17にアニメ映画化もされてより一層話題となっていますが検索履歴には

「ブルージャイアントひどい」の文字が。

筆者は「めちゃくちゃ面白い!」と感じて原作を一気読みしたので、『ひどい』と検索されているのは「あの展開のことか」と納得。

理由をまとめてみました!

目次

「ブルージャイアントひどい」の理由は第10巻の展開

「BLUE GIANT」は「世界一のジャズプレイヤーになる」という夢を追いかける青年の物語。

夢に一直線に向かうひたむきで熱い努力や、音楽や才能に向き合う様々な人達の人間模様を描いた、いわば「スポコン音楽漫画」

第1巻~第10巻が主人公「宮本大(ミヤモトダイ)」の音楽人生の第一章として描かれているのですが、その結末が一部の人から「ひどい」と捉えられているようです。

ここから先は「BLUE GIANT」全10巻、その後続く「BLUE GIANT SUPREME 」「BLUE GIANT EXPLORER 」のネタバレを含む部分があるのでご注意ください。

沢辺雪祈が事故に遭う

高校卒業後、仙台から東京へと出てきた大とバンドを組むことになる同じ年19歳の「沢辺雪祈」
彼は幼少期からピアノを習い、その腕前は群を抜き、野心と向上心を強く持つ。
天賦の才を自覚するが故の傲慢さ、危うさがあり、非常に魅力的なキャラクターです。

大の同級生である玉田(ドラム)と共にトリオバンド「JASS」を結成することになります。

10代のうちに国内最高峰のジャズライブハウスである「So Blue」でのライブを叶えて箔をつけようと画策して出演権利を勝ち取りますが、本番を翌々日にひかえた日の夜、雪祈は道路整備のアルバイト中にトラックにはねられ右腕を骨折。

2日後の「So Blue」でのライブはもちろん、ピアニスト生命に関わる重傷を負うことになります。

大と同じくらい、雪祈のピアニストとしての活躍を楽しみにしていた読者は、この展開を「ひどい」と感じてしまっていたことが、検索履歴の理由のようです。

筆者も「大も雪祈も音楽をやっている人間で手が大事なのに、工事現場(雪祈は誘導係だけど)でバイトしていて大丈夫だろうか」とは読んでいて感じていたので、ある意味そのアルバイト選択にも意味があったんだなと唸りました。
(バーテンダーや黒服なんかの割の良い夜の仕事も、雪祈ならキャラクター的にピッタリですからね)

雪祈は怪我で「So Blue」でのライブには出演できず、これを機に「JASS」は解散。大は単身海外へ旅立つことになります。

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沢辺雪祈のその後

雪祈はアメリカで大学に通っている

海外に旅立った大の物語は、

  • 「BLUE GIANT SUPREME 」ヨーロッパ編
  • 「BLUE GIANT EXPLORER 」アメリカ編

と続く訳ですが、アメリカ編である「BLUE GIANT EXPLORER 」第1巻にて、大のもとに「雪祈が一足先にアメリカに渡って学校で音楽を学んでいる」との情報が入ります。

「BLUE GIANT 」第9巻、事故に遭う直前に雪祈は「作曲が好きだ」と自覚しました。
本格的に作曲を学ぶため、アメリカの音大に入っているのではないかとの予想が多いです。

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雪祈がピアニストとして復活する展開も!?

また「雪祈はピアニストとして復活する未来もあるのではないか」という意見もあります。

その根拠は、大と雪祈が出会う、雪祈の初登場シーン。
左手だけの会場を大いに沸かせ、その姿で大に強烈な印象を与えていたんですよね。

これは「雪祈が左手をより磨いてピアニストとして復活する」伏線だったのではないかと。

根拠はもう1つあります。

巻末に掲載されている「BONUS TRACK」
物語から数十年後(大がジャズプレイヤーとして成功した後と思われる)、大の関係者と会って当時の様子などを聞いたインタビューが掲載されています。

その中で、プロのジャズギタリストであり、自分のバンドに引き入れようとするほど雪祈の才能に一目置いていた「川喜はインタビューの中で、

「あの二人(大と雪祈)がまた一緒にやっているのを見たいとは全然思わないね」

と話しています。

もし雪祈がピアニストとして復活していなければ「また一緒にやっているのを見たいと思うか」という質問は出ないのではないかと考えます。

大と雪祈、両者がそれぞれに数十年後にジャズ界でプレイヤーとして活躍しているからこその質問と思うと、確かにしっくり来る気はしますね。

天賦の音楽的才能を持っている雪祈は、怪我をしても尚相当の努力をして音楽界で活躍する人材になると思います。

作曲家でも嬉しいですが、できたらピアニストであって欲しい!
多くの読者はそう思っていますよね。

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アニメ映画の評価は?ラストの展開は?

同作は2023/2/17にアニメ映画化されています。
公開直後ですが、概ね高評価です!

出典:Yahoo映画

出典:Filmarks

CG部分のクオリティが低く、そこが興ざめしてしまうという声が多かったですが、演奏は文句なしの高評価!

原作からの改変がちょこちょこあるようですが、原作ファンからも概ね受け入れられているようですね。

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映画では、仙台編はほぼ飛ばして東京編からスタートしており、漫画原作でいうところの4巻辺りからスタート。
「So BLUE」でのライブまでを描いているようです。

映画の脚本は「NUMBER 8」さんが担当していて、連載開始前からの石塚さんの担当編集者、現在はストーリーディレクターとして参加されている方。
「NUMBER 8」さんの起用は原作者石塚真一さんの希望で「好きなように書いて」と丸投げしたんだとか。

「この作品を映画化する上での、僕の最大にして唯一の条件だったんです。この人が脚本を書くんだったら受けます、と。いちばん『BLUE GIANT』のことをよく知っているし、彼が書けないわけもないし。だから、『好きなように書いて』って丸投げしちゃったんですけど、あがってきた脚本は納得のいくものでした。ラストがちょっと原作とは違うんですけど、その場面も見たいと思った。脚本に関しては、本当に彼に任せっぱなしでしたね」

文春オンライン

「So BLUE」ライブ前に雪祈が事故に遭い、右腕を損傷する展開は原作と一緒。

原作では大と玉田の二人で演奏して終わるのだが、映画ではアンコールで雪祈が登場して左手だけで演奏するという改編が加えられていました。

雪祈の怪我は変わらずとしても、原作の展開を「ひどい」と受け入れられない方にとっては、So Blueの舞台で、JASS3人の演奏が実現した映画版のラストは救いのあるものだと言えそうですね。

▼映画版のオリジナル・サウンドトラックが発売されました。これは買いですね!

▼Amazon限定版では、特典に「メガジャケ」が付くとのこと。気になる!

▼映画版は東京編が始まる第4巻辺りから重点的に描かれているので、原作未読の方は仙台編の第1巻から読むと、大のベースにある「ひたむきさ」がより深く理解できると思います。

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