「BLUE GIANT」沢辺雪祈その後|事故から復活再登場・作曲家転向などの考察

ピアノ「BLUE GIANT」 沢辺雪祈その後

「音が聴こえる漫画」として、各方面から大絶賛の「BLUE GIANT」(石塚真一原作コミック)

2023/2/17にアニメ映画化もされてより一層注目されていますが、登場人物で一緒にトリオバンド「JASS」組んでいたピアニストの沢辺雪祈(サワベユキノリ)のその後が気になりますよね。

原作で描かれている内容から考察した、沢辺雪祈(サワベユキノリ)のその後をまとめました。

ここから先は「BLUE GIANT」全10巻、その後続く「BLUE GIANT SUPREME 」「BLUE GIANT EXPLORER 」のネタバレを含む部分があるのでご注意ください。

目次

「BLUE GIANT」沢辺雪祈の挫折

まずは、「BLUE GIANT」のあらすじと、沢辺雪祈の身に起こった出来事を簡単に振り返ります。

「オレは世界一のジャズプレイヤーになる」

ジャズに魅了され、テナーサックスを始めた仙台の高校生・宮本大(ミヤモトダイ)。
雨の日も風の日も、毎日たったひとりで何年も、河原でテナーサックスを吹き続けてきた。

卒業を機にジャズのため、上京。高校の同級生・玉田俊二(タマダシュンジ)のアパートに転がり込んだ大は、ある日訪れたライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈(サワベユキノリ)と出会う。

「組もう」

大は雪祈をバンドに誘う。はじめは本気で取り合わない雪祈だったが、聴く者を圧倒する大のサックスに胸を打たれ、二人はバンドを組むことに。そこへ大の熱さに感化されドラムを始めた玉田が加わり、三人は“JASS”を結成する。

楽譜も読めず、ジャズの知識もなかったが、ひたすらに、全力で吹いてきた大。幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈。初心者の玉田。

トリオの目標は、日本最高のジャズクラブ「So Blue」に出演し、日本のジャズシーンを変えること。 無謀と思われる目標に、必死に挑みながら成長していく “JASS”は、次第に注目を集めるようになる。「So Blue」でのライブ出演にも可能性が見え始め、目まぐるしい躍進がこのまま続いていくかに思えたが、ある思いもよらない出来事が起こり……

「情熱の限りを音楽に注いだ青春。その果てに見える景色とは—。」

「BLUE GIANT」公式HP

沢辺雪祈が事故に遭う

高校卒業後、仙台から東京へと出てきた大とバンドを組むことになる同じ年19歳の「沢辺雪祈」
野心と向上心を強く持ち、天賦の才を自覚するが故の傲慢さ、危うさがあり、非常に魅力的なキャラクターです。

10代のうちに国内最高峰のジャズライブハウスである「So Blue」でのライブを叶えて箔をつけようと画策し、懇願して忙しい中演奏を見に来てくれた「So Blue」支配人・平に、完膚なきまでに酷評され叩きのめされます。

「君のピアノはつまらない」
「全力で自分をさらけ出す、それがソロだろ。」

核心を突かれて打ちのめされ、泣きながらも「あの人、いい人だな」と言える雪祈は、しっかり酷評を受け止められる土壌を持っていました。雪祈の更なる成長の可能性を感じられるとても大好きなシーンです。

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その後「JASS」は着実に力をつけて、ファンを増やして知名度を上げていきます。
そんな中、急遽ピアニストを探さなくてはいけなくなった「So Blue」支配人・平が雪祈に声をかけ、一足先に雪祈1人で「So Blue」の舞台に立ちます。

平に言われたことを胸に留め、「これが最後のステージになるかもしれない」という思いで全てをさらけ出してソロを演奏します。

雪祈のその渾身の演奏で、正式に「JASS」3人での出演権利を勝ち取りますが、本番を翌々日にひかえた日の夜、雪祈は道路整備のアルバイト中にトラックにはねられ右腕を骨折。

2日後の「So Blue」でのライブはもちろん、ピアニスト生命に関わる重傷を負うことになります。

雪祈は怪我で「So Blue」でのライブには出演できず、大の成長を止める訳にはいかないと「JASS」解散を持ちかけた雪祈。それを受け入れる大。

玉田も「俺は充分にやったがお前は違う。もっと上へ行くヤツ。俺とも離れなくてはいけない」と雪祈の気持ちを尊重して大の背中を押す。
そして大は単身ヨーロッパへ旅立つことになります。

読者も受け入れるのがしんどい展開ですよね。

ちなみに、2023/2/17に公開されたアニメ映画版では、原作より様々な点で改変がなされているようで、ラストの展開も原作とは異なっているようです。

「So BLUE」ライブ前に雪祈が事故に遭い、右腕を損傷する展開は原作と一緒。

原作では大と玉田の二人で演奏して終わるのだが、映画ではアンコールで雪祈が登場して左手だけで演奏するという改編が加えられていました。

雪祈の怪我は変わらずとしても、原作の展開を受け入れられない方にとっては、So Blueの舞台で、JASS3人の演奏が実現した映画版のラストは救いのあるものだと言えそうですね。

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「BLUE GIANT」沢辺雪祈その後

現在連載中のビックコミック本篇の方では、「次号で大と雪祈が再会するのではないか?」と話題になっています。

これまで雪祈の登場自体はありませんでしたが、ちょっとした情報は入ってきていました。
それらを総合して、現在と今後の可能性をまとめてみました。

雪祈はアメリカで大学に通っている

海外に旅立った大の物語は、

  • 「BLUE GIANT SUPREME 」ヨーロッパ編
  • 「BLUE GIANT EXPLORER 」アメリカ編

と続く訳ですが、アメリカ編である「BLUE GIANT EXPLORER 」第1巻にて、自動車の運転免許取得のために帰国した際に、玉田と久しぶりに再会しています。

そこで玉田から「雪祈がアメリカに渡って音大で作曲を学んでいる」との情報が入ります。

『BLUE GIANT EXPLORER (1)』より ©小学館

「BLUE GIANT 」第9巻、事故に遭う直前に雪祈は「作曲が好きだ」と自覚しました。
本格的に作曲を学ぶため、アメリカの音大に入っているのではないかとの予想が多いです。

その後、本誌でボストンのバークリー大学に通っている雪祈の姿が描かれました。

大が滞在するのもボストン。

▼ついに本誌で再会か!?

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雪祈がピアニストとして復活する展開も!?

また「雪祈はピアニストとして復活する未来もあるのではないか」という意見もあります。

その根拠は、大と雪祈が出会う「雪祈の初登場シーン」
左手だけの会場を大いに沸かせ、その姿で大に強烈な印象を与えていたんですよね。

これは「雪祈が左手をより磨いてピアニストとして復活する」伏線だったのではないかという声も多いです。

根拠はもう1つあります。

巻末に掲載されている「BONUS TRACK」
物語から数十年後(大がジャズプレイヤーとして成功した後と思われる)、大の関係者と会って当時の様子などを聞いたインタビューが掲載されています。

仙台時代の同級生やバイト先の店長、東京に出てきてからの音楽関係者など、様々な人物が登場してそれぞれの立場から当時を振り返る内容は、大成した大の姿を想像させてとても読み応えがあります。

その中で、プロのジャズギタリストであり、自分のバンドに引き入れようとするほど雪祈の才能に一目置いていた「川喜はインタビューの中で、

「あの二人(大と雪祈)がまた一緒にやっているのを見たいとは全然思わないね」

と話しています。

もし雪祈がピアニストとして復活していなければ「また一緒にやっているのを見たいと思うか」という質問は出ないのではないかと考えます。

大と雪祈、両者がそれぞれに数十年後にジャズ界でプレイヤーとして活躍しているからこその質問と思うと、確かにしっくり来る気はしますね。

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天賦の音楽的才能を持っている雪祈は、怪我をしても尚相当の努力をして音楽界で活躍する人材になると思います。

作曲家でも嬉しいですが、できたらピアニストであって欲しい!
多くの読者はそう思っていますよね。

大と雪祈の再会が描かれた第9巻が2024/2/29にコミックスで発売されました!

【2/25追記】
雪祈を主人公とした小説「ピアノマン ~BLUE GIANT 雪祈の物語~」が2/27(月)に発売との情報が!これは読まなくては!

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▼映画版は東京編が始まる第4巻辺りから重点的に描かれているので、原作未読の方は仙台編の第1巻から読むと、大のベースにある「ひたむきさ」がより深く理解できると思います。

▼映画版のオリジナル・サウンドトラックが発売されました。これは買いですね!


▼雪祈を主人公とした小説「ピアノマン ~BLUE GIANT 雪祈の物語~」が2/27(月)に発売されましたが、この小説には雪祈とアオイちゃんの物語が載っているようで必見です!
漫画既読で、映画に違和感を感じている方には映画の内容補完になりますよ。

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