「BLUE GIANT」玉田のその後|JASSを辞めた後プロになったかを考察

ドラム「BLUE GIANT」 玉田 俊二 その後

「音が聴こえる漫画」として、各方面から大絶賛の「BLUE GIANT」(石塚真一原作コミック)

真の主人公として人気の高い、ドラム玉田 俊二(たまだ しゅんじ)のその後について。
トリオバンド「JASS」のドラムとして、逸材の宮本大と天才の沢辺雪祈に必死に食らいつき、急成長していった姿はめちゃくちゃ感動しましたよね。

その後、玉田はどうなったのか、皆さん気になっていると思います。

原作や映画、その他グッズで描かれている内容から考察した、玉田 俊二(たまだ しゅんじ)のその後をまとめました。

ここから先は「BLUE GIANT」全10巻、「BLUE GIANT EXPLORER 」、映画「BLUE GIANT」「BLUE GIANTサウンドトラック ブックレット」等の内容を含む部分があるのでご注意ください。]

目次

「BLUE GIANT」ドラム玉田はどんな人物?

主人公:宮本大の高校時代の同級生。
高校時代はサッカー部で活躍。
1人暮らしを始めた東京の部屋に大が転がり込んできて、予期せぬ2人暮らしが始まる。

「仲間と共に何かに打ち込むこと」が好きで、高校時代は誰よりも熱心に練習していた。
現役合格した早池田大学(早稲田大学がモデルと思われる)でもサッカーサークルに入り、期待に胸を膨らませていたが「社会人に必要な健康な肉体を維持するため」という先輩たちのスタンスとの違いを思い知らされる。

同時に、真っ直ぐにサックスに打ち込む大の姿を見て高校時代に情熱を注いでいたサッカー部時代を思い出して感化され、玉田は「大と一緒にジャズをやりたい」とサークルを辞め、初心者ながらドラムを始める。

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筆者の感想

「世界一のジャズプレイヤーになる」という強い想いで3年間毎日サックスを吹き続けてきた「逸材」である大と、

ピアノ教室を営む母に4歳から英才教育を受けてきた「天才」である雪祈が異次元の演奏をする中で、

「オレのドラム、クソだ…」と言いながらも食らいついていく玉田の根性に、逸材でも天才でもない「一般人」だと自覚しているほとんどの読者が、心から感動したのではないでしょうか。

筆者もその1人で「私なら初ライブの後に確実にバンド辞めてるな」と自嘲しながら、玉田の諦めない情熱と根性に感銘を受けました。

また筆者も読んでいて、雪祈同様にあの状態の玉田をライブに出させる大に「残酷さ」を感じました。
しかし、それがきっかけでここまで玉田が急成長できたことを見ると、大は長い付き合いの中で玉田の性格を分かっていたのかもしれません。

高校時代、大の部屋でケツで割り箸を割った仲ですからね。

玉田に大や雪祈のような「才能」はなかったかもしれませんが、「努力を重ねることができる才能」は2人と等しく持ち合わせていた結果でしょう。
「仲間と共に高みを目指す情熱」は、2人以上にありましたよね。

言ってしまえば、ドラム初心者から1年半の血のにじむような努力で「So Blue」に立てた玉田が一番スゴイんじゃないかとさえ思ってしまいます。
一度何かに情熱を燃やして打ち込んだ経験はその人の財産になり、物事を成し遂げる大きな原動力になる。
「玉田、お前は本当にスゴイよ!」と心から言ってやりたい。そんな感情移入しやすい愛すべきキャラクターです。

サンデーうぇぶりのアプリ版なら、3/16まで限定で「BLUE GIANT」4巻(仙台編)無料で読むことができるようです。

3年間のひたむきな努力や、周囲の力を借りながら不器用なりに真っ直ぐに挫折を乗り越えてきた大の人柄や、ケツで割り箸を割っていた高校時代の玉田の姿などを知ると、東京編や映画がより深く理解できて楽しめると思います。

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「BLUE GIANT」ドラム玉田はその後プロになった? 

そんな玉田はその後プロになったのか? 

結論から言うと、玉田は音楽の道には進んでいないと考えます。

根拠は色々あるのですが、決定的なのは映画作中に差し込まれた玉田のボーナストラック(数十年後に撮った設定のインタビューで)

「あいつと演奏をしたことを、今でも営業先で自慢しています」

というような内容を、玉田は話しています。

原作のボーナストラックでは、現在音楽を続けているか否かの明確な表現はなかったのですが、映画では「営業先」と明言しています。

これだけだと「音楽で営業先を回っているドサ周り的なこと」の可能性も否定できないのですが、現在発売中の「BLUE GIANT のオリジナル・サウンドトラック」には、8Pに及ぶ原作者:石塚真一の描き下ろしスペシャル・ストーリーが収録されており、そちらに、玉田が音楽を辞めてサラリーマンになっている描写があるようです。

高校時代に仲間内で進路を話している時に、玉田は

「それなりの企業の会社員ねらい。業界は今は言わない」

と話しています。

大学を1年間留年しながらも、当初の希望進路を歩んだということなんでしょうね。

また、久しぶりに大学へ行った際に、友人にどうして大学に来ないんだと聞かれて「ドラムにハマってて」と説明。プロになるの?という質問には

「いや、プロにはならない」と間髪入れずに断言しています。

玉田はドラムをやりたいというよりは、「大と雪祈と音楽をやりたい」「仲間と一緒に何かに打ち込みたい」という想いが強いのでしょうね。

また、大と雪祈の才能と努力を一番間近で見ていたら、自分もプロになろうという気持ちは湧かないのかもしれません。

JASS解散後、大はヨーロッパへと旅立ちましたが、自動車の運転免許取得のために帰国した際に、玉田と久しぶりに再会しています。

その際に「日本にいるオレも全然仙台帰ってねぇし」と答えているので、そのまま東京の大学に在学中か、就職しているということでしょう。

雪祈の近況を教えてくれたのも、玉田でしたね。

『BLUE GIANT EXPLORER (1)』より ©小学館

「大と雪祈と音楽をやりたい」という想いで必死に2人に食らいついてきた玉田は、JASSが解散してしまっては、音楽を続ける意味を見出せなかったというのもあるでしょうが、元々玉田本人の中でもドラムは期間限定のものだったんだと思います。

とはいえ、これだけの努力と情熱で成長することができる玉田は、社会人になっても何だってできるはず。

原作のどこかで、玉田のその後について少しでもいいから描いてくれることを期待してしまいますね。

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▼映画版は東京編が始まる第4巻辺りから重点的に描かれているので、原作未読の方は仙台編の第1巻から読むと、大のベースにある「ひたむきさ」がより深く理解できると思います。

▼映画版のオリジナル・サウンドトラックが発売されました。これは買いですね!


▼雪祈を主人公とした小説「ピアノマン ~BLUE GIANT 雪祈の物語~」が2/27(月)に発売されましたが、この小説には雪祈とアオイちゃんの物語が載っているようで必見です!
漫画既読で、映画に違和感を感じている方には映画の内容補完になりますよ。

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