待望の日本公開が開始されて劇場は超満員だという『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
これから映画を観に行こうとしている方の中から「字幕上映がない!」との声が挙がっています。
それは吹替上映に比べて、字幕上映数が圧倒的に少ないのが原因。
海外で先行上映されたハリウッド映画なのに、なぜ字幕上映がこんなにも少ないのか?
その理由は「英語版と吹替版では脚本自体が違う」という今作のこだわりに隠されているようです。
- 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の字幕上映が少ない理由
- 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の英語版と吹替版では脚本自体が違う意味
上記を調査・考察してみました。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の字幕上映が少ない実状
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の字幕上映が少ないという声が挙がっていますが、実際にはどれくらいの差があるのでしょうか。
Yahoo映画で、2023年4月30日の東京都内の主要地域のTOHOシネマズでの上映状況を確認してみました。
画像出典:Yahoo映画
まずは池袋、1日10回上映中、字幕は3回。
続いては新宿。
1日17回上映中、字幕は4回。
続いて日比谷。
1日14回上映中、字幕は8回。
ほうほう、確かに少ないけど、1日何回かは上映されているのね…なんて思っていたのですが…。
都内中心地から少し離れて上野のTOHOシネマズを確認したら
1日7回上映中、そのすべてが吹替上映でした!
そして次に調べた錦糸町も全てが字幕上映。
これ以降、郊外や関東近郊も調べてみましたが、そのほとんどが「全ての上映が字幕」という映画館ばかりでした。
こんなにも字幕上映がされていないとは、驚きです。
この傾向は地方都市も同様で、中心地の数館でのみ字幕上映があり、その他はほぼ吹替上映といった形ですね。
- マリオの字幕上映が近くでやっていない!
- 字幕の上映回数が少ないから、行ける時間帯にやっていない
- マリオの字幕観るためにわざわざ都内まで出てきた、隣県まで車走らせた
という声が多いのも納得です。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の字幕上映が少ない理由
では、なぜこんなにも「字幕上映」が少ないのか。
その理由は、マリオの生みの親である任天堂代表取締役フェローの宮本茂さんはインタビューから読み解くことができると考えます。
セリフ回しにリアルを追求
宮本茂さんはインタビューの中で、
- ゲームは「本当のようなウソの話」という考えが大事
- リアルに見せるセリフ回しにこだわった
- そのために英語版の翻訳ではなく、初めから日本語版を作りたいと提案した
と話しています。
僕は,ゲームは「本当のようなウソの話」という考えを大事にしているんです。ゲームの世界は完璧にウソの話ではあるんですが,そこにどこか現実的なことを入れて,本当にあることのように感じられるようにしたいと。リアルに見せる部分がいいかげんな作りだとがっかりしますよね。そういうことが,ドラマを観ていて学べるんですよ。
4Gamer.net
そのなかで面白いなと思ってみていたのが,台詞回しでした。なので映画を作るときは,クリスさんとの最初の相談でまず「最初から日本語版を作りたい」と提案しました。日本語の演技や言い回しにはしっかり関わりたいと,収録から編集まで立ち会いました。
確かに、海外ドラマやディズニー、ピクサー、イルミネーションなど海外向けに作られた作品は、セリフを日本語に訳しても違和感がある時がありますよね。
宮本さんは、家族や会社で「NHK朝ドラ評論家」と呼ばれるほどの朝ドラフリークで、あのセリフは良かった、これはダメだったなどと批評する中で、セリフの重要性や面白さに気づき、今作のセリフにはこだわったということです。
マリオ映画の字幕上映が少ない理由→日本のためにこだわって作った吹替版を見てもらいたい
マリオ映画の字幕上映が少ない理由は公式に明言されていませんので、ここからは筆者の考察ですが、
「日本のためにこだわって作った吹替版を見てもらいたい」からなのではないかと考えます。
イルミネーション社との話し合いの中で真っ先に提案した程、宮本茂さんの中でこだわりがあるキャラクターが話すセリフ。
日本のマリオファンには、まずはそれを見て欲しいという想いがあったのではないでしょうか。
その意向が、上映館数の差に表れているように推察します。
(下世話な話、別の脚本を作った分のコストも回収しなくてはいけないですしね)
そのうえで、英語版とのセリフの違いなどを楽しみたい方は、吹替版と字幕版を見比べてみるのも上級者の楽しみ方かもしれませんね。
マリオ映画の字幕上映が少ない理由と脚本自体が違う意味を調査&考察 あとがき
吹替版と英語版のセリフにどのような違いがあるのかも気になりますね。
コメント