主人公・乃木憂助(堺雅人)が、別班を裏切ってテロ組織・テントに潜入するという衝撃的展開で、
視聴者を驚きと困惑にぶち込んできた「VIVANT」第7話。
しかし、彼は本当に裏切り者なのでしょうか?
その答えのヒントは、第7話で乃木が野崎守(阿部寛)に伝えた「スネイプ社」という言葉に隠されているという説があります。
『ハリー・ポッター』では、スネイプ先生という二重スパイの登場人物が物語を大きく動かします。
ハリーポッター大好きな野崎にあえて伝えた「スネイプ社」という言葉は、“二重スパイ”を指し示しているのではないかと考察します。
この記事では、
- スネイプ社は“二重スパイ”の暗喩だったのでは?
- ハリーポッターでの「スネイプ先生」とは?
- 乃木が野崎に伝えたかった事とは?
という点について、情報を整理して詳しく考察していきます。
【VIVANT考察】スネイプ社は“二重スパイ”の暗喩?経緯を振り返り
ジャミーンの病室のシーンで、乃木と野崎がお互いを探り合うような会話をしている中で明かされた、
野崎がハリーポッター超好きな「ポッタリアン」だったという事実。
ジャミーンにハリーポッター全巻DVDを差し入れしてくれました。
その後、乃木と野崎は同じ飛行機でバルカに到着するのですが、
空港で別れ際に乃木は「スネイプ社との商談がある」と1人でタクシーに乗ります。
本当に「スネイプ社」という企業がある可能性もありますが、
野崎がハリーポッター大好きだということが分かった直後に、作中に出てくる登場人物名を出したことは、何らかの意図があったと思われます。
【VIVANT考察】スネイプ社は“二重スパイ”の暗喩?スネイプとは?
ハリーポッターシリーズを全く見たことがなかった筆者は、ハリーポッター内に登場する「スネイプ先生」について調べてみました。
簡単説明
- スネイプ先生は、魔法学校ホグワーツの魔法薬の教師で、ハリー・ポッターの宿敵
- しかし、スネイプ先生実は二重スパイだったという事実が、物語の最後に明らかになる
詳細箇条書き
- スネイプ先生は、ハリー・ポッターの母親であるリリー・エヴァンズと同じ魔法学校に通っていたが、彼女とは恋人になれなかった。
- スネイプ先生は、悪の魔法使いであるヴォルデモートの部下である死喰い人になったが、リリーがヴォルデモートに狙われていることを知って、良い人たちのリーダーであるダンブルドア校長に助けを求めた。
- スネイプ先生はダンブルドア校長の味方になり、死喰い人と不死鳥の騎士団(反乱組織)の二重スパイとして働いた。
- スネイプ先生はダンブルドア校長を殺したが、それはダンブルドア校長の望みだった。
スネイプ先生は、ヴォルデモートから信頼されるようにするためと、死喰い人の息子であるドラコ・マルフォイを守るためだった。 - スネイプ先生は、最後に自分の涙をハリー・ポッターに渡した。その涙から、スネイプ先生がリリーを愛していて、ハリー・ポッターを守ってくれていたことが分かった。
- スネイプ先生は、二重スパイだったという事実は、物語の最後まで明かされなかった。
彼は敵でも味方でもなく、ただ一人の女性への愛に生きた男だった。
【VIVANT考察】スネイプ社は“二重スパイ”の暗喩?乃木が野崎に伝えたかった事とは
もし乃木が、ハリーポッターに登場するこの「スネイプ先生」に自分の状況や行動を投影して、野崎に「スネイプ社」と伝えたのであれば、
- 自分はこれから別班側を裏切ってテントに潜入する
- 誰の敵でも味方もなく、ただ父親への興味や求愛など個人的な目的で動く
ということを、示唆していたのかもしれません。
また、「スネイプ先生はダンブルドア校長を殺したのはヴォルデモートから信頼されるようにするため」
とあるように、テントに信頼されるために別班員を殺した(または死んだように見せかけた)可能性もあります。
非常に複雑で含みのある立場や行動を「スネイプ先生」という存在を示唆することで、誰にも知られずに明確に伝えたいという乃木の野崎への思いがあると感じました。
唐突に差し込まれた「野崎はハリーポッターが大好き」と明かされるシーンも、このメッセージを伝えるために必要な描写だったとしたら納得いきます。
監督も、演出を務める宮崎陽平さん(やんぴ)もハリーポッター大好きなようですから、大きな視点で物語にオマージュ要素を入れてきている可能性はありますよね。
ハリーポッターはジャイさんも実は超好き(俺も大好き!!!)#VIVANT #VIVANTep7 https://t.co/jp6EMWF1AZ
— やんぴ (@ist_yohei) August 27, 2023
衝撃的な展開でちゃぶ台ひっくり返されたように感じますが、
第7話を見てからまた過去回を見直してみても、特に乃木やFの言動に大きな矛盾はないようにも感じます。
「愛」や「家族」を知りたい、自分もサム達のように愛情を持って家族を守りたいから「国」を家族だと思って任務を遂行してきた。
任務上に本当の「愛」をくれるかもしれない自分の父という「家族」の存在が浮上し、そちらに舵を切った。
前面に出てきて印象深い公安や別班、テロ組織というのは物語上のあくまで装置に過ぎず、特殊な環境下で生きてきた乃木が知ることのできなかった「愛」や「家族」を探す人生の物語であるというのがこの作品の主軸。
その軸は一切ブレていないんですよね。
本当に丁寧に作られていますよね。
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