月9ドラマの「ミステリと言う勿れ」で話題と言えば、風呂光さんキャラ改変や恋愛問題。
放送終了後は毎回「風呂光」がトレンド入りするほどSNSが盛り上がり、
「恋する風呂光かわいい」VS「風呂光恋愛&キャラ改変いらない」
の大論争が繰り広げられています!
どうやらその裏には、原作者とドラマ制作プロデューサーの間の信頼関係や「風呂光の成長を描く」という約束があったようです。
そしてとうとう第11話、風呂光恋愛&キャラ改変否定派も納得する成長ストーリーが!?
ミステリと言う勿れのノベライズ版を参考に、第11話で描かれる風呂光の成長ストーリーについてまとめてみました!
原作者が明かすドラマ制作プロデューサーとの約束
原作者の田村由美さんは、自身のブログで「風呂光役が伊藤沙莉さんに決まった」という報告を受けた際の気持ちを、以下のように綴っています。
ええとね、ぶっちゃけた話をしますが、ちょっと前に考えてたんです。もしドラマ化が現実になったとしたら、風呂光というキャラは、ただ可愛いだけのバタバタしてキイキイうるさい狂言回しのようなポジションに置かれる可能性が高いんではないだろうかと。
それはおぞましいことで、正直、心配してたんです。ところが、フジテレビさんにお任せすると決まった時、
プロデューサーさんは毅然としておっしゃってくださいました。「風呂光の成長も描きたいんです。
そのためには演技のうまいかたに、そして女性にも愛されてるかたに、風呂光役はなんとしても伊藤沙莉さんにお願いしたいと考えています」
…これね、ものすごく嬉しかったです。嬉しかった。ありがたいと思いました。ちゃんとキャラに向き合ってくださるんだと。そして伊藤さんのお顔を思い浮かべ、あ、いい、あ、なんだかぴったりくる、と思いました。あたたかい気持ちになれて、そしてわくわくしました。
田村由美のTamu Tamu Time
「風呂光の成長も描きたい」というドラマ制作プロデューサーの想いを信じて託したという内容です。
また、初回放送直前には、以下のようにドラマ制作班側への信頼も表していました。
原作と違う部分があったとしても、それはキャスト・スタッフの皆さんが考えて考えて考え抜いて作ってくださった結果です。ドラマで表現するために正しい道を選んでくださったのだと思います。
信頼してお任せしました。
田村由美のTamu Tamu Time
その後のドラマでの展開に、原作者である田村由美さんがどう感じているかは発信されていませんが、原作や原作者の想いを大切にしてきたファンからは、失望や怒りなど、様々な批判の声が上がっています。
ドラマが原作と別物になることはままあるけれども、原作で「男性的な団体の中で自立した女性」の役割だった女性が「仕事せずうつつを抜かすような恋愛をし高いところ手が届かない〜」とまんまおじさんの客体になるのは日本を反映しすぎなんですよ、ミステリと言う勿れの風呂光さんというんですけれど
— 椎羅? (@jh_nn2) March 14, 2022
ミステリ、どう考えても風呂光さんが整くんにの恋してる目線で進んでるの無理すぎ、原作読みましたか、、?となる
— ほまれ (@meeeets_) March 19, 2022
原作知らないからって楽しめるって意見も分かるけど、ドラマの風呂光さんの扱いは、風呂光さんが1話で言っていた女だからこういう風に扱われたくないって言ってた扱われ方をしてるんだよ。それが悔しいよ。風呂光さんを目立たせるにしても、もっと別の方法があったはずなのに。
— あー (@ieaouo2) March 14, 2022
#ミステリと言う勿れ
風呂光さん、あなたは恋愛要素のために作られたキャラではないんです。
— マツリカ (@matsurika910) March 14, 2022
整くんに「女だから○○」という呪いを解いてもらった仕事に邁進する素敵な人なんです。#ミステリと言う勿れ
原作を全て読んでいた筆者も、ドラマは別物として考えてドラマ版風呂光を否定も肯定もしていなかったのですが、さすがにライカとの別れを悲しんでいる整に向けた風呂光の言動には疑問を感じて、感動の余韻が潮を引くように収まってしまいました。
それだけ、伊藤沙莉さんの演技が上手かったってことでもありますが。
原作からの改変うんぬん関係なく、ドラマ単体で見た時にも違和感が出始めてしまっているのではないかという印象ですね。
風呂光キャラ改変いらない派も納得の成長がいよいよ登場か?
「ドラマ制作プロデューサーが毅然として答えられるほどの風呂光成長ストーリーなんて、今までにあったっけ?」
という疑問が、これを読んだ多くの方に浮かんでいることと思います。
「ドラマ制作プロデューサーは、あと2話で風呂光をどう成長させて着地するのか」
俄然興味が湧いてきたのでノベライズ版を購入して読んでみたところ、ジュートを追う連続殺人事件に風呂光を絡ませて、刑事としての成長を描く作戦に出たと考えます。
第11話で描かれる連続殺人事件とは
原作漫画「ミステリと言う勿れ」6巻に掲載されている「episode2.5 – 2.5-3 横浜連続殺人事件」を映像化した回です。
第11話 予告 3/21(月)よる9時https://t.co/1y4ZNVDMpO pic.twitter.com/55G1sYUSDZ
— 【公式】ミステリと言う勿れ 月9 (@not_mystery_) March 14, 2022
女性ばかりを狙った連続殺人事件が横浜港中央署管内で起こり、ジュートを探す我路が巻き込まれていくエピソードです。
原作6巻では整は一切登場せず、大隣署の刑事達も話の冒頭や途中の捜査協力で一瞬出てくるだけで、話は「横浜港中央署の刑事達」「我路と従弟達」を中心に進みます。
時系列でいうとバスジャック編のすぐ後の話になり、少し時間を遡っていることになります。
整は印象派展を見た広島で、そのまま「狩集家遺産相続問題」に取り組んでいる時ですね。
ドラマでは、芝浜署(横浜港中央署より改変)から応援要請を受けた大隣署から風呂光が派遣され、芝浜署の女性刑事である猫田とバディを組んで連続殺人の捜査に当たります。
この改変により、猫田とタッグを組んでいたイマドキの若者である新米刑事「川辺」が退場。
川辺の成長として描かれていた要素が、女性差別の内容も絡めながら風呂光に置き換えられています。
風呂光がバディを組む猫田十朱はどんな人物?
ミステリと言う勿れ原作での猫田十朱は?
原作に出てくる猫田十朱は、三十代半ばくらい、大柄な女性刑事です。
ミステリと言う勿れ 6巻
…側頭部、刈り上げているんですかね?
整がいたら「地毛ですか?天パですか?耳回り寒くないですか?」と聞きそうな個性的な髪型をされています。
名物刑事の「備前島 操」の右腕として活躍し、男社会の中で毅然と働く有能で頼れる刑事ですが、若い頃は女への風当たりの強さからイキがって、1人で動くなどムチャな捜査もしてきたとのこと。
▼備前島 操(びぜんじま みさお)警部
ミステリと言う勿れ 6巻
備前島警部は、
「己のお客様体質に気を付けろ」
が口癖で、危険を察したときは迷わずに助けを求めてチームで働くことを部下に強く言い聞かせています。
ミステリと言う勿れ 6巻
ドラマでの猫田十朱は?
ドラマ版の猫田十朱は松本若菜さんが演じ、年齢設定こそ同じ位なものの、雰囲気は全く違う美人刑事に仕上がっています。
とにかくめちゃくちゃ美しい!!!
このキャスティングの意図は分かりませんが、このドラマ版では「逞しい女性」「強い女性」を表すのを避けているような気もしますね。
視覚に訴えるドラマで大勢の人が見るということを考えると、美しい女優さんを使うことは当たり前かもしれませんが。
ドラマ版の猫田も芯の通った強く有能な女性刑事であることは変わらないですし、美しく演技派な松本若菜さんがキレッキレで捜査する様子は、これはこれでアリな気がします!
身体や精神を鍛えるのも刑事の仕事!
— 【公式】ミステリと言う勿れ 月9 (@not_mystery_) March 18, 2022
風呂光、鍛錬に励んでおります。#ミステリと言う勿れ#3月21日第11話#菅田将暉#伊藤沙莉 pic.twitter.com/YYpmp1k3KI
ドラマ版では、猫田自身が「女性刑事として模索してきた経験」や「周囲からの学び」などを共有することにより、風呂光に成長の機会を与えていきます。
ドラマで風呂光が刑事として成長するきっかけとは
連続殺人事件の中で、風呂光が刑事として成長するストーリーをどう描いたのでしょうか。
殺人犯への恐怖
風呂光はバスジャック事件で、人を殺すことに快楽を得る煙草森の狂気に対峙し、取調室や資料の中だけでの知っている犯罪とは違う、生身の殺人犯への恐怖を感じていました。
「こんな自分が役に立てるのだろうか」
そんな気持ちの中、芝浜署に応援に行くことになります。
そりゃ、こんな理解不能な満面の笑みを目の当たりにしちゃったら、恐怖感じちゃいますよね。
原作改定がちょいちょいあったり役者のイメージが違ったりで疑問が多いけど、煙草森さんが原作で読むよりも最強なサイコパスっぷりを見せてくれたのでもう満足です!!!めちゃくちゃゾッとした!!!最高ー!!! #ミステリと言う勿れ pic.twitter.com/GI0U1zAg9K
— まみ??? (@HzEi8hmami) January 24, 2022
猫田への憧れと「お客様体質」の本当の意味
風呂光は、張り切り過ぎた勝手な単独捜査で備前島警部に叱責され、落ち込みます。
腕力がない女性でありながら、名物刑事の備前島に「うちのエースだ」と認められ、常に堂々と捜査に臨む猫田に対し、失敗と自己嫌悪を繰り返す自分との違いを嘆き、「備前島警部にも、お客様体質だと言われないように頑張らないと…」と猫田本人に愚痴をこぼします。
そこで猫田から、備前島警部のいう「お客様体質」の本当の意味を知り、窮地に陥った猫田に対して備前島警部に助けを求めることができました。
猫田を助けた我路、風呂光を眠らせたハヤと共に、ジュートである辻浩増は姿を消しました。
その夜、救急外来のベットで目を覚ました風呂光は、備前島警部に「よくやった」と自分の行動を肯定してもらい、一命を取り留めた猫田からもお礼を言われます。
女性であることや、個人の力の有無や優劣に固執していた風呂光が、少し自分に自信を持てるようになったというストーリーです。
いろいろな疑問が残る第11話
この風呂光の成長エピソードを読んで、確かに女性として、刑事として働くことに悩みを持つ風呂光は、猫田とバディを組むことで学ぶことは多いだろうなと納得感はありました。
ただ、お客様体質の意味が分かっていたのに「十」の意味に気づいた時点で備前島警部に知らせたなかったのはなんでかな、、、とは思いますよね。
備前島警部が気づくはずの被害者の名前に「十」がある共通点や、我路から猫田へのタレコミ、青砥のセリフなども全て風呂光に割り当てられていて、物語の奥行きがなくなっていたのにも少しガッカリはしました。
創作した紙の上の人物ではなく生身の人間が役を演じ、またその人間自体が芸能事務所が売り出す「商品」であるというドラマの世界。
風呂光役の伊藤沙莉を中心に置いて一定時間出演させる契約が背景にあったり、ドラマの尺に合わせて話をシンプルにしたのだろうと思うので、しょうがないとは思うのですが。
そして、この成長ストーリーにこれまでの恋愛キャラが伏線となる展開などがある訳ではなく、否定派の気持ちを払拭して、風呂光が成長したと思えるほどのものかというと、疑問が残る内容でした。
時系列的にも、この連続殺人事件を経験してから爆弾魔やアイビーハウスを対応する訳で。
そうなるとちょっと成長に対しての説得力に欠けるかも。
風呂光のキャラ改変いらない派も納得の成長が描かれる!?ミステリと言う勿れ第11話! まとめ
この改変、皆さんはどう思いましたか?
映像化されたドラマを見て、また気づいたことがあったら追記したいと思います!
~追記~
ストーリーは置いておいて、伊藤沙莉さんの演技は素晴らしかったですね!
SNSでの感想を一部掲載します。
風呂光さんは見ててイライラするな〜(笑)お客様体質の真意を知っていたのに関わらず、助けを求めるの遅すぎじゃない❔❔
— ヨンビちゃん (@tyshyjhj_x) March 23, 2022
引くレベルで無能化してるやん、風呂光さん。こんな無能じゃないよ…。
— ぴーすけ®︎チビズ3y1y0y (@arama_san) March 23, 2022
風呂光さんを演じられてる俳優さんは全然悪くない。むしろ、あの物語における風呂光さんを完璧に演じていると思う。さほど「原作派」という気持ちでもない私でさえ、違和感強烈なレベルで「風呂光さんじゃない」って思うんだよね……気の毒過ぎる。
— 北丸 (@kitamaru) March 23, 2022
ドラマ制作側としての意見を、一度何らかの形で聞いてみたいと思ってしまいますね。
きっと、いろいろな裏側の大人の事情があるんだと思いますが。。。。
まだドラマ化されていない話を読みたい場合は、2~4巻と、8巻以降を読んでくださいね。
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