皆さんは「三十路」と聞いて、何を思い浮かべますか?
昔は30歳のことを指す言葉として使われていましたが、最近ではちょっと意味が広がって、30代全体を指す表現としても使われるようになりましたよね。
元の意味=30歳
現在の意味=30代
という印象です。
三十路はいつからいつまで?と考えた場合、現代の意味では、
30歳~39歳まで
と捉えるのが適切です。
でも、なぜそんな変化があったのでしょうか?
今日は、そんな「三十路」の意味とその変遷、そしてそれが私たちの生活にどう影響を与えているのかについて、一緒に考えていきたいと思います。
目次
「三十路」の意味:goo辞書/デジタル大辞泉での記載
「三十路」の意味とは、本来どういうものなのでしょうか。
小学館のデジタル大辞泉を引用しているgoo辞書の記載を見てみましょう。
みそ‐じ〔‐ぢ〕【三▽十/三▽十路】 の解説
《古くは「みそち」》
1 30歳。「—を越える」→十路
2 30。みそ。
「—あまり二つの相 (かたち) 八十 (やそ) 種 (くさ) とそだれる人の踏みし跡どころ稀にもあるかも」〈仏足石歌〉
出典:デジタル大辞泉(小学館)
三十路とは「30歳」のこと。
30代ではなく30歳の年1年のことを指すんですね。
三十路はいつからいつまで?「三十路」の意味の変化
さて、私たちが今、「三十路」と聞いて30代を思い浮かべるようになった背後には、どんな歴史があるのでしょうか?
先程もご説明した通り、かつて「三十路」は、文字通り30歳のことを指す言葉でしたが、近年は、「三十路=三十代」という意味で使われることが増えました。
このように意味が変化した理由の一つは、 「路」の字が30歳から39歳までの道を意味しているように見えることです。
しかし、これは当て字で、元々は「みそち」と書いていました。
みそちの「ち」とは、
「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」と数えるときの「つ」
「二十歳〈はたち〉」の「ち」
のように、数詞の下に添える語句だったんです。
その後、当て字で「路」の字が使われるようになり、読み方も変化していったというのが定説です。
三十路はいつからいつまで?アラサーとは違う意味?
このように、近年は、「三十路=30代」という意味で使われることが増えました。
最近よく使われる似たような言葉に「アラサー」がありますが、
アラサーの語源は、英語の「around thirty(アラウンド・サーティー)」
「30歳前後」を意味する言葉です。
- アラサー
→25歳~35歳辺り - 三十路
→30歳~39歳まで
という違いがありますね。
三十路はいつからいつまで?現代社会と変化の理由
三十路は日常的に良く使われますが、使われていないだけで、20歳~60歳までの呼び方も存在します。
- 二十路
→20歳のこと。読み方は〈ふたそじ〉 - 四十路
→40歳のこと。読み方は〈よそじ〉 - 五十路
→50歳のこと。読み方は〈いそじ〉 - 六十路
→60歳のこと。読み方は〈むそじ〉
しかし、良く使われるのは「三十路」だけですよね。
その理由は何でしょうか。
現代社会の「30代の重要性」が理由か?
現代社会では、20代後半から30代にかけての人生の節目や転換期を経験する人が多いですよね。
キャリアの変更、結婚、子育ての開始など、人生の大きな変化がこの時期に集中していることが少なくありません。これらの変化は、一人ひとりのタイミングによって異なりますが、共通しているのは、自分自身と向き合い、新たな人生の段階に入る準備をする時期であるということ。
30代は、自分探しや自己実現、家族観や人生観も大きく変わり続ける、とてもダイナミックな10年間。
この時期を一言で表すために、「三十路」という言葉が再解釈され、より広い意味を持つようになったのではないでしょうか。
「三十路」が30代を表す意味になり、20歳~60歳の呼び方とは違い日常的に頻繁に活用されるのは、現代社会で私たちの生き方や価値観が変わっている証拠でもあります。
30代という年齢が持つ可能性と、それに伴う挑戦。
それを「三十路」という言葉が包み込んでいるのかもしれませんね。
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